【現実に起こっている労務問題】給料が高く、福利厚生が充実しているのにまだ不満
給料が高く、福利厚生が充実しているのになぜ?と思うかもしれませんが、不満があるようです。
職場内にパワハラやセクハラが起こっていたり、職場環境が悪かったり、コミュニケーションが上手く取れていなかったりと、お金や福利厚生以外の部分で多くの問題が起こっている可能性があります。
ところが、会社はさらに満足度を高めようと、給料を上げたり、福利厚生を良くしたりします。
問題の解決ができていないのに、こういう部分で対処しようというのは良くないです。
何か違っているような気がします。問題・課題を洗い出し、それを分析することが大事です。
不満を感じている社員の声を聞く。それが先です。
【後継者の決断・育成】5月の連休中に後を継ぐ意思があるかどうか確認する
顔を合わしても会話がない?
そのうち、継いでくれるだろう。
学校を卒業するまでは、好きにさせてやろう。
ところが、実際、学校を卒業して家業に入っても、目標もなくただ仕事をしているだけ。
経営者になるという強い気持ちが見られません。
これが、現実です。できるだけ早い段階で、経営者になることを教え、育てること。
小学校低学年の時から、そういうふうに教えられる方もいるくらいです。
学校卒業を待つのでは遅いです。
学生時代から、後継者として育ててあげて下さい。当然、サラリーマンではないので、年中無休で仕事をしたり、各種会合に参加させて下さい。
みなさん、教えるのが遅かったとおっしゃいます。そのため、ギャップを埋めるために私に教育依頼が来ます。
でも、なかなかそのギャップは埋まりません。
だから早めに親子会議を行い、決断させて下さい。
【就業規則の見直し・整備】いつ就業規則を修正されましたか?
ほとんど毎年くらい、法改正が行われています。そのため、法改正があるごとに本当は修正が必要です。
ところが、実際には、大きな法改正があった時に、一気に整備をする。
あるいは、一度作ったものが全く修正されていないものもあります。
法改正の頻度が上がっています。それだけ、社会が複雑化しているということです。総務部や人事部など、人に関する部署は、法に目を光らせ、チェックする必要があります。
さて、以下の法改正、どこまで整備できていますか?
一度、チェックしてみて下さい。
【主な法改正内容】
平成10年以降の主な法改正内容についてです。自社の就業規則の整備が適切に行われているか、確認をしてみて下さい。
- 平成11年:労働基準法の改正(労働条件の明示・年次有給休暇日数の加算・変形労働時間制の要件緩和など)
- 平成11年:育児・介護休業法の改正(介護休業設定の義務化など)
- 平成14年:育児・介護休業法の改正(不利益取扱いの禁止・看護休暇制度の創設・時間外労働の制限など)
- 平成16年:労働基準法の改正(有期労働契約の契約期間延長・解雇規程の整備・裁量労働制の改正など)
- 平成17年:育児・介護休業法の改正(育児休業期間の延長・介護休業期間の変更・看護休暇制度の義務化など)
- 平成18年:高年齢者雇用安定法の改正(定年年齢の引上げ(65歳)、継続雇用制度導入の義務化など)
- 平成19年:男女雇用機会均等法の改正(性差別禁止の範囲拡大・妊娠出産に基づく不利益取扱いの禁止・セクハラ対策など)
- 平成20年:労働契約法の創設(労働契約の基本ルールやトラブル発生時の対処法など)
- 平成20年:パートタイム労働法の改正(雇入れ時の労働条件明示化・正規転換制度の義務化など)
- 平成22年:労働基準法の改正(時間外労働の作戦・割増賃金の引き上げ・年次有給休暇の時間単位取得制度創設など)
- 平成24年:育児・介護休業法の改正(短時間勤務制度・所定外労働の制限・介護休暇の義務化対象拡充など)
- 平成25年:高年齢者雇用安定法の改正(継続雇用制度対象限定制度の廃止など)
- 平成25年:労働契約法の改正(無期労働契約への転換・雇止め法理の法定化・不合理な労働条件禁止など)
- 平成27年:パートタイム労働法の改正(正社員との差別化禁止対象者の拡大・短時間労働者の待遇原則の創設・雇入れ時の説明義務など)
- 平成29年:育児・介護休業法の改正(育児休業期間の延長・介護休業の分割取得・介護休暇の取得単位緩和・介護に基づく所定労働時間の短縮など)
【悪しき会社の慣習の見直し】会社の慣習になっていることが、労働基準法を違反している
悪しき慣習、まだ残っていませんか?
会社や社長もわかっていても、直せていない。
総務部も注意をしていない。
厳密に言うと、すべて労働基準法違反。
根が深いです。
一つのことが甘くなると、すべて甘くなり、締まりのない会社になります。
昔からやっているから・・・
そういう答えが、社員の方から聞こえて来ると心配です。
少しずつ変える?一気に変える?
悪しき慣習、どこかで見直す必要があります。
厳しくなるのは嫌?
厳しいのではなく、それは普通のことです。
是非、悪しき慣習にメスを入れて下さい。
【経営・マーケティングに対する考え方】何でも自分ですぐにできると思わないこと
成功している経営者の話を聞くと、すぐにやりたくなる。その気持ちはわかりますが、すぐにできるでしょうか?
成功されている方は、30年、50年と研究されてやっと成功されています。大事なのは、成功に至った過程です。そこを学んで下さい。
逆に、今すぐはできない。どういう研究を行い、成功に導くかを考えようという方は、上手く行くでしょう。
また、30年、50年もかかるんだったら、これは手を付けてはいけないと判断される方もいると思います。でも、その考え、正解だと思います。
今の自分の年に30年を足すと、年齢はいくつになりますか?成功するのは、70歳過ぎてから?これはもう無理です。
この判断基準が、経営マインドです。
正しい経営マインドを持っていないと、何でも手を付けて失敗することになります。
考えて、研究してから判断する。
それが大切です。
【飲食業におけるコンプライアンス違反】勝手に予約を断る!
予約をいただくとうれしいものです。売上が上がり、厨房もスムーズに仕事ができます。
ところが、予約の電話があり、少しでも他の予約が入っていたりすると断る方がおられます。
社長やオーナーに相談し、席を確保したり、時間をずらしてもらったりこともできるかもしれません。
しかし、無理だと自分で勝手に判断し、予約のお客様を逃す。
これが一番怖いです。
後から、予約電話の報告を社長にすると、愕然とされます。一言、私に相談してくれたら何とかしたのに・・・ということが起こります。
一度電話を切り、社長や上長に相談してから、お客様に再度電話を入れる。
これがルールです。
予約のお客様に簡単にお断りをしていると、二度と予約を入れてくれなくなります。
融通を利かした対応ができるかどうか、それが大事です。
もう一度、予約の受け方、対応の仕方、チェックしてみて下さい。
【人事部門のあり方について】人事業務を甘く考えない。人事業務とは、サービス業という認識を持つ。
人事部門のスタッフは社員は顧客であるという認識で業務を行っていますか?
えっ?サービス業?と思うかもしれませんが、それくらい社員・従業員に対して満足度を上げることを考え、実践しないと会社は良くならないということです。
お客様・顧客なら、少しでも良いサービスをしようと必死になるはずです。ところが、社員や従業員には、任せっきり。何か意見が出てきたら対応するといった感じ。
これでは、人事部門の役割を果たしていません。
積極的な人事部門。人事部門が主になって改善・改革を図ることが大事です。
会社は、人次第です。モチベーションが上がる仕組み、職場環境を作ること。また、人事部門が機能していますか?
人事部門のあり方、見直した方が良いかもしれません。
人事部門がしっかりしている会社が理想です。